社用車の私的利用とフリンジベネフィット税

オーストラリアではフリンジベネフィット税申告の終了年度が3月31日という事で、今回は、よくある質問のうちの一つ社用車の私的利用とフリンジベネフィット税の関係について説明します。

フリンジベネフィット(経済的利益、以下”FBT”)税とは雇用主に課される税金で、従業員又はその関係者に与えられた経済的利益をグロスアップした金額に47%(2018年3月31日終了年度)の税率で課税されます。詳しいFBTの計算方法はここでは省きます。

会社名でビジネス使用の為に社用車を購入したからと言ってFBT税を免除される事にはなりません。例えば、社用車で子供を迎えに行ったり、買い物に行ったり、週末に使ったり、自宅のガレージに停めていたり、配偶者が使っていたりする場合は全てFBTの対象となります。社用車の私的利用に関してはATO(オーストリア国税局)の監査が入りやすい領域と言えますので、ATOが知らなければ多少の私的利用は申告しなくても大丈夫だろうという感じでFBT税申告するのは賢明とは言えません。

社用車の私的利用とは単純に車を従業員が(取締役も含)仕事目的以外で使った場合を指します。会社から私的に利用出来る許可がある無しに関わらず、自宅のガレージに停めていたり、セキュリティー目的で自宅近辺に駐車している場合も全てFBT税の対象となります。自宅兼オフィスの駐車場に停めている場合も同様です。

走行距離計がビジネスにおける仕事のスケジュールとかみ合わない時など、社用車が仕事目的以外で使われたかを見分ける事は難しいことではありません。ATOはこの辺りに目を光らせています。

 

オーストラリアで人気のUTE(ピックアップトラック)&商用車に関しての新しいFBT免税ルール

通常、雇用主が従業員に車を与えた場合は経済的利益を与えたとしてFBT税課税の対象となります。しかしFBT法には、例えばピックアップトラックや商用車の限られた範囲内(稀で不定期な)での私的利用に関しては免除されるとあります。それでは実用的なレベルでどの様に稀で不定期な私的利用と判断するのかを見て行きます。つい最近ATOは規定者がどの辺りの免除項目を重点的にレビューするかの法令遵守ガイドを発表しました。下記のリストが一般的にATOが認める免除の範囲です。

  • まず基本は、雇用主は従業員に仕事の任務を果たしてもらう為の適格な車を与える。適格な車とは商用目的を指します。商用目的の車については厳格な決まりがありますが、ここでの説明は省きます。
  • 雇用主は妥当なプロセスを経て私的利用を限定しなければならないのと、それらを監視する為の測定システムを作らないといけない。
  • このシステムとは例えば、会社の方針として従業員が提出した仕事関連の走行距離と私的使用の走行距離を年間の総走行距離と比べるなど。
  • 車にはチャイルドシートなどのビジネスには関係の無いアクセサリーが付いていない。
  • 車の購入額は税法上の高級車税しきい値額(2018年会計年度において低燃費車$75,526、他$65,094)よりも低くなければならない。
  • 従業員に与えられている車はサラリーサクリファイスアレンジメント(Salary Sacrifice Arrengementここでの説明は省く)の範囲内ではない。
  • 従業員の私的利用の免除が認められている範囲とは、基本的に自宅から仕事場(通勤)までで、それ以上の延長(例えば仕事帰りの子供のお迎え)は2Kmまで、合計で年間に750Kmまで。通勤以外の私的利用(週末の使用など)は合計で年間200Kmまでです。

これら上記の条件を全て満たしている場合はATOのFBT免除に関する監査は入りにくいでしょう。しかし雇用主は上記の条件を満たしていて、私的利用を測定するシステムがあるという証明がいつでも出来るように記録を保管しておく義務があります。

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