年金保証の拠出金計算に関する新しい規則

2020年7月1日から新しい規則が適用され、雇用主が支払う年金保証金(SG)を減額するために従業員の給与から天引きする制度(Salary Sacrifice)を利用できなくなります。

現在の規則を用いて、一部の雇用主はSGを拠出するにあたり従業員の給与から天引きする制度を利用しています。現時点では、雇用主は「通常の給与」(OTE: Ordinary Time Earnings)の9.5%を拠出する義務があり、拠出額をOTEに含めるかどうか選択することが可能です。

新しい規則では、従業員のOTEベースの9.5% をSGとすると定められています。OTEベースは、従業員のOTEと退職年金拠出のためにOTEより天引きされた金額を含みます。例を見てみましょう。

パブロさんの四半期のOTEは$15,000で、通常$1,425($15,000 x 9.5%)がSGとして拠出されます。そこで、彼が同四半期に$1,000を給与から天引きすることで、退職年金拠出額は$2,425に増加します。

しかしパブロさんの雇用主は、給与から天引きされた額($1,000)を利用することでSG拠出義務を果たそうとします。これによって合計拠出額が$1,425となり、そのうちの$1,000はパブロさんが給与から天引きした金額となります。

改正案によると、パブロさんが給与から$1,000を天引きしても、雇用主からの拠出額が下がることがなくなります。今回の例では、拠出割合が2.83%($425 / $15,000 x 100)まで引き下がることになります。雇用主は従業員の給与ベースの9.5%を拠出する義務があるため、SGの最低拠出額を満たすために6.67%の金額を追加して拠出する必要があります。これは、雇用主が約$1,000(6.67% x $15,000)の拠出不足金を抱えていると言えます。

給与から天引きされた額によって雇用主からの拠出額が下がることがなくなるため、パブロさんの雇用主は拠出不足金の発生と年金保証税の課税を避けるために、給与から天引きされた$1,000に加えて$1,425(雇用主負担額)を拠出する必要があります。また改正案では、雇用主がSG拠出義務を果たしておらず年金保証税が課された場合に、拠出不足金が新しいOTEベースで計算されていることを明確にします。

キャピタルゲイン税(CGT)と住宅 – 海外駐在員と外国人が再び対象へ

オーストラリア連邦政府が豪州非居住者に対する主居住者免除資格の撤廃計画を改めて発表しました。これにより、海外駐在員と豪州非居住者に影響を及ぼすと考えられます。

2017-18年度連邦政府予算案において、オーストラリア連邦政府が税務上の豪州非居住者に対して主居住者免除資格を撤廃することを発表しました。この不当な措置は議会で提案されましたが、可決には至りませんでした。選挙後に議会を再度開催し、連邦政府は修正案を提示しました。

提示された修正案は、最初に予算案が発表された2017年5月9日より適用されるため、すでに売却されている不動産に影響を及ぼす可能性があります。しかし、2020年6月30日までのCGT事象に関しては経過規定が適用され、2017年5月9日以前からそのCGT事象までの期間に不動産を継続的に所有していた場合に限り、既存の規定が適用されます。

つまり、2017年5月9日から売却日まで不動産を所有している場合、既存ルールが適用される可能性があります。

今回の措置が議会を通過した場合、豪州非居住者は、不動産の保有期間に豪州居住者であったかどうかにかかわらず、不動産販売にかかわる主居住者免除を受けられなくなります。

駐在員に関しては、個人が6年間またはより短期間において豪州非居住者であり、外国居住中にライフイベントが発生した場合は例外措置が適用されます。この場合の「ライフイベント」とは、個人または特定の家族による末期的疾患の罹患、特定の家族の死や結婚、またはデファクト(事実婚)関係の解消などを言います。つまり、あなたが5年間海外勤務をしている間に配偶者が死亡した場合、豪州国内の主たる住居に対して免除が適用されることもあります。

豪州非居住者の場合、法案が議会を通過すると以下のような大きな影響が出てきます。

・主たる居住に関する規定において、豪州非居住者は一部または全額免除の資格を失う

・豪州非居住者は、一般的に外国居住者用の税率で課税される(つまり、免税枠なし、または一部のみ)

・CGT割引率が50%以下へ引き下げられる

・不動産が賃貸された当時の市場価値と比較して、その不動産の原価を上げるために適用される置換原価制度を利用できなくなる可能性が高まる

・外国居住者に適用される源泉徴収の規則により、売主のキャッシュフローに影響が及ぶ

現在、個人は一般的に主たる住居の販売に関してCGT課税対象となっていません。もしその不動産をある一部の保有期間のみ主たる住居として利用していた、またはその不動産を収入源する(例 不動産を事務所として利用する、または一部を賃貸する)場合、一部免除が適用されることもあります。さらに、住居を引っ越した際に他の住居を主たる住居として申請しない場合、その住居を賃貸する、もしくは無期限に賃貸しない場合においても、最大6年間主たる住居として扱うことができます。これを6年間ルール(the ‘absence rule’)と呼んでいます。

主居住者免除は、税務上の豪州居住者、非居住者、一時居住者である個人に対して現在適用されます。2019年財務省法修正法案(住宅取得者の負担軽減措置)(Treasury Laws Amendment (Reducing Pressure on Housing Affordability Measures) Bill 2019)は、下院へ提出する段階にあり、まだ法律になっていません。

従業員に適切な給与額を支払っていますか? ウールワース、2億豪ドルの過少払いと賠償金

ウールワースが従業員に対して給与を過少払いしていた問題で最近話題となっています。同社は従業員5,700人に対して賠償金合わせて2億〜3億豪ドル(課税前)に及ぶ過少払いが行われていたことを明らかにし、その損害賠償額が最高額になると考えられています。

今回の問題は新たに労働協約を適用する際に行われた2年に一度の調査によって発覚しましたが、現代化された労使裁定が2010年に適用されて以降、給与が過少に支払われていた可能性があります。

ウールワースは「調査によって、労働時間と勤務日時が一部の店舗従業員の給与設定で適切に反映されていなかったことが分かった」と声明を発表しました

初回の調査で影響を受けていると判断された従業員に対して、クリスマス前に給与未払い分の一時的な返済が行われる予定です。また、ウールワースは被害を受けた全ての従業員に対して、賠償金全額を可能な限り迅速に支払うと述べています。

私たちは、従業員に正しい給与額がきちんと支払われていることを確認する重要性を強く呼びかけています。従業員に適当な給与額が支払われなかった場合、単に未払い分を支払えば解決できるわけではありません。特にスーパーアニュエーション(退職年金基金)の過少払いが発覚した場合、膨大な罰金の支払いが課せられます。


あなたが従業員に適当な給与額を支払えているかを確認する場合は、フェアワークオンブズマン(Fair Work Ombudsman)給与と労働条件(Pay and Conditions Tool)をご参照ください。

ゼロ金利政策とその影響


オーストラリア準備銀行(RBA)は、政策金利を過去最低水準まで再び引き下げることを発表しました。シドニーを拠点とする会計事務所Easton Wealth(イーストン・ウェルス)の経済専門家Emmanuel Calligeris(エマニュエル・カリガリス)氏が、金利引き下げの影響について分析します。

オーストラリアと世界の変動性

近年、金融市場は渦中にある貿易戦争の動向によって影響を受けており、過去2ヵ月間における市場の変動性が高まりました。貿易戦争による景気後退を反映して政策金利が下落したことから、7月の株式市場は上昇しました。しかし、ドイツで第2四半期にマイナス成長を記録したこと、さらにドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)が第3四半期も景気後退が続く可能性を警告したことなど、金融市場の変動性を引き起こす問題が他にもあります。2四半期連続してマイナス成長を記録すると景気後退と判断されるため、上記の傾向に着目することが重要です。欧州最大の経済大国であるドイツが景気後退に陥ることで、その他の欧州諸国に対して、どのような影響を及ぼすことになるかという疑問が浮上してきます。景気が後退するにつれて、失業率が上昇し投資が減少します。さらに、政府は金利低下を受けて経済を回復させるために、投資を余儀なくされます。幸いなことに、財政支出により来年度の経済成長率が0.7%拡大する可能性が出てきたことで、その他欧州諸国における景気後退を回避することが期待されています。欧州のリスクとして、英国の合意なきEU離脱が懸念されています。英国のEU離脱(ブレグジット)問題により、欧州連合で大きな変動率が発生しました。この合意なき離脱によって、フランス、ドイツ、オランダの輸出に悪影響を及ぼす可能性があります。

日本のGDP成長率は鈍化しており、輸出の伸び率が低下していることが要因としてあります。香港では、この成長鈍化がさらに悪化することが予想されます。理由として、現在問題となっている暴動が、香港を含む先進国にとって経済成長の重要な要素である個人消費を抑制しているからです。オーストラリアでは、家計債務の増加と賃金上昇率の低迷による消費抑制が、経済成長鈍化につながっています。2つの重要な要因として、物価高とインフラ投資があります。鉄鉱石に関しては、ブラジルで発生した鉱山ダム決壊事故により供給が停止したことで、鉄鉱石価格が高騰しました。しかし、現在は供給が再開されて通常価格へと戻りつつあります。これは、オーストラリアの鉄鉱石による輸出収益が来年度における経済成長のけん引役となる可能性が低くなることを示しています。さらに、干ばつ問題が解消されないかぎり、農産物の輸出で成長鈍化を補うことは難しいと考えられます。

8月上旬、貿易戦争の激化によりオーストラリアと米国の株式市場が下落し、オーストラリアの定期預金と債券の金利が過去最低水準まで下落しました。低金利の状態が続くと、歳出が今後の経済成長の重要な推進力となるでしょう。

世界経済成長率の鈍化に応じて、米国の政策金利は迅速に調整されました。歴史的に、米国10年国債利回り(金利)が米国2年国債利回りを下回ると、米国の景気が後退する可能性が高い予兆と考えられています。この現象を逆イールドカーブと呼びます。景気後退の可能性が確定しているわけではありませんが、逆イールドカーブは、連邦準備制度理事会が来年中に政策金利を大幅に引き下げる可能性が高いことを示唆しています。オーストラリアでは、RBAが政策金利のオフィシャルキャッシュレートを2度引き下げ、過去最低水準である1%としました。RBAは、賃金上昇率がインフレ見通しを脅かすことはなく、さらに低失業率においても安定した経済を動かすことは可能であると考えます。これは、景気を過熱することなく金融政策(金利)を長期的に引き下げることが可能であることを、本質的に意味します。つまり、2019年後半から2020年前半にかけて政策金利はさらに低くなる見通しであり、一部の専門家は、その時期までに0.50%までに下落すると予測しています。この低金利を反映して、定期預金金利も低下しました。

低金利の影響

政策金利の低下によって、預金者にジレンマが生じています。金利が下がると、同水準の資産収入額を維持するためにより多くの資金が必要となります。以下の表をご覧ください。

Capital prices and interest rates
Investment amount ($)Fixed income ($)Interest rate
500,000.0050,00010%
625,000.0050,0008%
833,333.3350,0006%
1,250,000.0050,0004%
2,500,000.0050,0002%

この表は、金利が10%の時に投資家が50万ドルを投資することで、資産収入として5万ドル獲得できることを示しています。金利が6%に落ち込んだ場合、同じく資産収入として5万ドルを生成するには、投資額約83万3千ドルが必要となります。さらに金利が2%の場合、同額の資産収入を生成するためには、250万ドル必要となります。

異なる視点で考えると、資産収入5万ドルを生成できる投資を所有している場合、金利額が低いほど投資価格は上昇します。このケースは、過去30年間における債券と、世界金融危機後10年間に配当成長を維持した不動産と株式に当てはまります。投資家が自己資本額を増やさずに50万ドルを投資した場合(例 定期預金)金利2%で1万ドルの資本収入しか生成できないでしょう。

低利回り環境での投資

これまで不動産と株式投資家は、低金利環境に恩恵を受けてきました。彼らは、将来受け取れる利回り率の低下よりも、金利低下より生じた市場の利益に注目してきました。私たちは現在、将来の利回り率低下が見込まれる環境下にあり、そのような状況において「どこに投資すべきか」という疑問に直面しています。より高い利回りを獲得する最も容易な方法は、国内株式や国外株式などの伝統的資産や不動産への投資を増やすことです。しかし、投資家がより高い利回りを求めるには、より高いリスクを負わなければなりません。金融資産全体のバランスが過度に崩れておらず、投資家が資産配分において規律を維持することが重要です。将来財政支出が増加する場合、インフラ部門に注目することが短期的な見方において適切かもしれません。

株の銘柄選択に関して、近年の不動産と株価上昇の影響により、これらの資産クラスが不当な企業価値評価を得ました。その結果、この見解を行った一部の資産運用専門家にとって、それぞれの運用成績が指標を下回ることとなりました。私たちは、低コストのインデックスファンドと慎重な選択が不可欠なアクティブファンドを組み合わせる方法を用いると、相対パフォーマンスが向上するだけでなく、コスト削減にもつながると考えています。株式や不動産は短期間で完全に価値が決定されますが、金融資産の一部として保有しておくべきでしょう。投資家は短期間の取引について慎重になるべきですが、弱気相場にエクスポージャーを増やすことに目を向けるべきです。今後数年間で、株式と不動産市場において低成長・低インフレの状況の中で低利回りを獲得することが標準となるでしょう。つまり、緩やかな経済成長が見られ、最適な配当金を獲得できる可能性があります。

低価値商品の外貨換算

低価値商品の外貨換算

LVG 2018/D1

FOREX 2018/D1

これらの立法上の決議は、GST課税の対象商品となるかどうかの課税価格を計算する際に、低価格商品(LVG 2018 / D1)が供給されているかどうかを判断するために外貨をオーストラリア通貨に換算する方法を導くと同時に、課税対象となる供給(FOREX 2018 / D1)の価値を算定する目的で外貨表示された対価額をオーストラリア通貨に換算する方法にも導きます。

この決議は輸入品供給者、電子流通プラットフォーム運営者または再配送業者に関連しており、2018年7月1日に導入される新たな規制に彼等が低価格商品を供給しているかどうかを判断する決定事項となります。 

低価格商品の基準の1つは、商品の税関価格が1,000ドル又はそれ以下であることです。輸入貨物の課税価額を計算するタイミングは、その供給について最初に合意した金額がオーストラリア通貨に換算された時です。GST目的のために商品の課税価額を決定する際に、同様の方法が取られます。

概して、両方の決議における算定方法は、以下のような為替計算となります。

(外貨で表記された金額)*(1 /あなたが特定した為替レート換算日)

ATOは、選択された為替レートが一貫して同じ供給元のを使用しているのであれば、納税者がオプションリスト(例えば、RBAやATOレートなど)から特定の為替レートを選択することを認めています。

この決議は、オーストラリアへの低価格商品の輸入に関与する方々にとって特に重要となります。

情報元:

Explanatory Statement – LVG 2018/1

Explanatory Statement – FOREX 2018/1

暗号通貨の新しい登録規制

2018年4月3日、オーストラリア政府は暗号通貨の交換に関する新しい規制を導入しました。これはつまり、暗号通過交換取引を新しい仮想通貨交換登録簿に加入する必要があり、1万ドルを超える取引に関しては、既存の銀行振り込みと現金取引の規制に従ってAUSTRACに報告する必要があるという事になります。

この規制は、既存のマネーロンダリング防止法(Anti-Money Laundering “AML”)およびテロ対策資金法(Counter-Terrorism Funding “CTF”)の下で金融機関に課せられたものと同様の登録義務および法遵守義務の形をとっています。これらは以下を含みます。

  • 顧客識別とデューデリジェンスの要件
  • マネーロンダリングとテロ資金調達のリスクを特定、管理、緩和するための要件を含むAML / CTFプログラムの採用と維持の要件
  • 不審な事項に関する報告
  • しきい値取引報告
  • 特定の記録保持要件

新しい対策では、暗号通貨の取引がATOの注目を集める可能性が高いため、暗号通貨取引を扱う際には税務上の影響をよりよく理解する必要があります。

したがって納税者は、お金がどこから来たのかだけでなく、暗号通貨取引に採用された税務処理を正しく説明できる準備ができている必要があります。

ATOはSMSF(Self-Managed Superannuation Fund)が暗号通貨の取得または処分に関与する場合、全ての取引を記録しなければならない事を強調し、またSMSF受託者、信託受益者及び、SMSF監査人に関連する様々な法規制事項も十分に認識しています。

情報元:

Regulation of digital Currency Exchange Providers

AUSTRAC Guidance on the New Regulations

ATO – 人気の税額控除項目に焦点を当てる方針を発表

ATO(オーストラリア国税局)は、一般的なコンプライアンスの取り締まりの一環として、人気のある税額控除の対象となる経費を水増しする人々の審査を再開しました。

ATOは、2016-17会計年度に約375万人以上が約88億ドル分のCents Per Km法による車両経費を費用計上し、そのうち約87万人がCents Per Km法*の最高額に当たる3,300ドル(5,000km x 66cents)を費用計上した事に注目しています。

この発表は、税務当局のクリス・ジョーダン氏のコメントに続いて、一部の登録税理士が「故意に詐欺や不正行為を助長していた」とのコメントを受け、ATOによる過剰な衣料品や洗濯費用計上のチェックに焦点を当てたものが「公平」であると説明しています。

さらに、2016-17会計年度に約670万オーストラリア納税者の間でその他の労働関連費用79億ドルが費用計上された後、2017-18会計年度ATOはその他の労働関連費用のチェックに焦点を当てる決意を示しました。

ATOのアンダーソン副委員長は、ATOが異例な費用を発見する能力は技術とデータ分析の強化により改善したと述べた。

「類似の所得を得ている同職種間で、納税者を他の人と比較します。私たちのモデルは、あなたの仕事の一部として必要ではない移動やただの通勤費用を必要経費として計上する人々を特定するのに特に役立ちます。」

「あなたの職務を遂行している間に移動費等が発生する必要性がない限り、税額控除として費用計上することはできません。たとえば、自宅から職場への移動は、ほとんどの人にとって控除対象ではありません。」

アンダーソン氏によると税法がが少し難しい為に、ほとんどの人は正しいことをしたいと思っているが、現状はATOが多くの間違いを見つける結果になっている。

「私たちは特に、私的な旅費、架空の旅費、そして雇用主が支払った、または払い戻した車の経費のような、控除の権利がないものについて申告しようとしている納税者に関心を寄せている」と彼女は言った。

昨年ATOは同様の警告をしています。アンダーソン氏は、詳細な記録を必要としない5,000kmの限界に「相当な割合」の車両経費の計上があったと指摘しました。

彼女は、費用の控除を計算するCents Per Km法が、記録保持を簡素化することであり、フリーライドを提供するのではないと述べた。

「Cents Per Km法による5,000kmまでの車両経費計上がログブックを必要としないことは事実です」とアンダーソン氏は言います。

「しかし、あなたは仕事の一環として車で何キロメートル走行し、仕事のために運転しなければならなかった場所の日記や頻度を記録するなど、あなたの主張をどのように計算したかを示すことができなければなりません。」

 

*Cents Per Km法とは、ログブックの記録無しに1Kmあたり66セントを5,000Kmまで費用として個人の確定申告で計上できるルール。

情報元:ATO renews focus on popular deduction

ワーキングホリデーメーカーの雇用主

ATO(オーストラリア国税局)は、ワーキングホリデーメーカーの比較的新しい税法に関連して雇用主が義務を正しく履行するのを助けるためのガイダンスを発表しました。ワーキングホリデービザ(サブクラス417)またはワーキングホリデービザ(サブクラス462)を持っている方々が対象です。

2017年1月1日以降、ワーキングホリデーメーカーは税法上、居住・非居住にかかわらず、得た収入の最初の$1から15%課税されます。ワーキングホリデーメーカーは現行のしきい値($18,200以下の収入は無税)を使う事が出来ません。ワーキングホリデーメーカーがTFN(タックスファイルナンバー)を雇用者に提供しない場合、雇用者は最高税率で源泉徴収する必要があります。

オーストラリアでワーキングホリデーメーカーをビザサブクラス417または462に採用する場合、雇用者は:

  • ビザ資格証明オンラインサービスを使用して、労働者が正しいビザを持っていることを確認する必要があります。
  • 労働者への最初の支払いを行う前に、ワーキングホリデーメーカー税率で税を源泉徴収するために、ATOに登録しなければなりません。

一度登録されると、雇用主は$ 37,000までの収入を$1から15%を源泉徴収しなければなりません。この金額以上の税率は変更されます。

雇用主がワーキングホリデーメーカーの規則の下でATOに登録しない場合、$ 87,000までの収入を$1から32.5%を源泉徴収しなければなりません。この特別規則に登録していない雇用主には罰金が適用されます。

情報元ATO Guidance for Employers of Working Holiday Makers

個人事業主向けー事業以外の収入から事業による損失を相殺するタイミングとは

非事業における損失(Non-Commercial losses)

オーストラリアの税法では趣味に近い事業(に見える)で生じた損失は損金算入できません。たとえその活動がビジネス的な性質を持っていたとしても、明らかに利益が出そうに無かったり、営利目的または事業性が無い場合は、その損失を他の収入(お給料、株からの配当金、利子所得など)と相殺する事はできません。これを非事業における損失(Non-Commercial losses)と呼びます。しかしこういう場合は、次に同じ事業で利益が出るまで損失を繰越す事ができます。これはオーストラリア国内または海外における事業の両方に当てはまります。

いくつかの条件を満たした正真正銘の事業活動での損失は、もちろん損金算入して他の収入と相殺する事ができます。非事業における損失ー趣味、投資、投機からの損失は他の収入との相殺は出来ません。

それでは、その条件とはどの様なものがあるのかを見てみましょう。

下記のテーブルは、どの状態が事業による損失で他の収入と相殺出来るか、又は非事業とみなされ損失を繰り越さなければいけないのかを表しています。このテーブルは個人事業主の場合のみでパートナーシップの場合は少し異なります。ここでは説明を省きます。

ステップ 詳細
ステップ1:先ず、あなたの事業の売上高とその他の収入をチェックしましょう。 もしあなたの事業が第一次産業、又は専門的な芸術活動による損失である場合は、’excepted activity’と呼ばれます。もしキャピタルゲインを除いたその他の収入が4万ドル以下の場合は、事業の損失をその他の収入と相殺する事ができ、それ以上の制限はありません。

もしあなたの損失を出している事業が上に挙げた第一次産業、専門的な芸術活動に当てはまらない場合で下記の会計年度にある場合:

>2009−2010会計年度、又はそれ以降、そしてその他の収入が、

ー25万ドル以下の場合は、ステップ2

ー25万ドル以上の場合は、ステップ3

>2009−2010会計年度より前の場合、ステップ2

ステップ24つのテストを確認 もし下記の4つのテストの内、1つでもパス出来れば事業とみなされ、あなたの事業からの損失はその他の収入と相殺する事ができます。

>事業の売上高テスト

>利益テスト

>物的財産テスト

>その他の資産テスト

これら4つのテストをパス出来ない場合は、ステップ3

ステップ3:国税局長の裁量 国税局長の裁量に委ねるかどうかを確認しましょう。

 

その他の収入とは

あなたのその他の収入とは、損失を出している事業以外からの収入を表します。それらには下記が含まれます。

  • 課税所得(事業の損失を除く)
  • ATOへ報告されるフリンジベネフィット
  • ATOへ報告される雇用主からの年金の支払
  • 投資による合計損失

 

4つのテストとは

  • 事業の売上高テスト

事業に最低でも2万ドルの売上高がある。

  • 利益テスト

事業は今年も含めて過去5年間の内、3年間は課税対象となる利益を出している。

  • 物的財産テスト

事業で使われている物的財産または物的財産の利用権利の価値が継続的に少なくとも50万ドルの価値がある場合。

  • その他の資産テスト

事業活動に必要となる資産(物的財産、車、バイク、その他の車両を除く)の価値が継続的に少なくとも10万ドルの価値がある場合。

 

いかがでしたか?日本もそうだと思いますが、オーストラリアでは税金の取りっぱぐれが無い様に政府が事細かに税法を制定しています。これは毎年変更されたり改正されたりしますので、税務申告の際に不明点があれば会計士に相談しましょう。三宅会計事務所は、英語の税法を分かりやすい日本語で丁寧にご説明いたします。

ご注意 – 非活動に見えるABNはキャンセルされます

オーストラリア商業登記所は定期的にABN(オーストラリアンビジネスナンバー)の過去における税務申告記録チェックして非活動に見えるものについては自動的にキャンセルされる事になりました。

ATO(オーストラリア国税局)は2018年、年間を通してチェックすると発表し、下記の事項に当てはまる個人事業主、パートナーシップ、信託(トラスト)はABNをキャンセルされる可能性がありますので注意が必要です。

  • ATOに事業活動を停止している旨をを伝えている場合
  • 過去2年間、事業収益が無かったと申告している場合
  • 過去2年以上、事業報告書および税務申告書を提出していない場合

ABNが自動的にキャンセルされるのを防ぐ為に、もし未だ提出していない過去の税務申告書や事業報告書がある場合はATOへの申告情報を最新にする必要があります。

例えば事業収益が非課税枠内にある個人事業主は、税務申告書や事業報告書を提出する必要が無いと考えATOへ提出していない場合があります。しかしながら事業活動に携わる納税者は売上、利益がたとえ無くても一般的には税務申告をする必要があります。

個人事業主は税務申告を提出する際に下記の事項に注意しましょう。

  • 個人の税務申告書における補足部分(事業活動報告欄)のページが含まれているか
  • 個人事業および専門分野の損益を表すスケジュールが含まれているか