ネガティブギヤリングとは

ネガティブギヤリング (Negative Gearing) とは

投資物件をローンで購入して、入ってくる家賃収入から減価償却費、共益費、市税等の不動産管理費の合計を差引いた純利益が、ローンに対する利息の支払合計より少ない場合、その物件はネガティブギアの投資物件と言われます。英語では、”A rental property is negatively geared” です。

損失を出している投資物件は一見すると投資している意味が無いように思われますが、現時点 (2018年2月) オーストラリアでは、確定申告の際にその損失分をあなたのお給料または個人事業収入から差引くことができるのです。

被雇用者の場合は雇用主が被雇用者の代わりに税法で定められている分の源泉徴収税を被雇用者に支払う前に差引いて国税局に納めます(額面と手取りのお給料は違いますよね)。 個人事業主の場合は、自分で所得税仮払を去年度の課税対象所得に元付いて大抵、四半期ごとに納めます。

源泉徴収税は額面のお給料に対して納税されているので、確定申告の際に額面のお給料から投資物件の損失を差引くと課税対象所得が減り(ネガテイブギアが効いた状態)、税金を納め過ぎている分が国税局より返金されることになります。また所得との相殺に使い切らなかった投資物件の損失額は翌年に繰越すことができます。

長い目で見て不動産の価値が上がると予想される場合は、例えいま現在損失を出し続けていても、安定した収入がありネガティブギアリングにより納税額を減らせるのであれば買えるうちに買っておくという投資家は多いです。

現在ネガティブギアの投資物件をお持ちの被雇用者の方で、翌年の確定申告の際も返金が予想される場合は、国税局に雇用主へ源泉徴収税の減額を申請する事ができます(出来れば6月30日までに)。そうする事で、確定申告時に一回で多額な返金を受け取るより、定期的に受け取るお給料の手取りが増える方がキャッシュフローの管理がし易くなります。

以上が簡単なネガティブギアリングの説明でした。

減価償却費とは

減価償却費とは

通常、固定資産を購入した場合、一回で費用計上することは認められていません。ではどうやって費用計上していくかと言うと、その固定資産の法定耐用年数(*1)どおりに毎年費用計上していくことになります。これらに該当する固定資産を減価償却資産といいます。この費用は、下記全ての納税者に当てはまります。

- 大、中小、零細企業

- 個人事業主

- 不動産投資家

- 被雇用者、従業員

減価償却資産の法定耐用年数はそれぞれ決められていて毎年少しずつアップデートされます。ATO(オーストラリア国税局)のウェブサイトから表をダウンロードすることができます。しかしながら土地、流通在庫などは減価償却資産にはなりません。

 

一般的な減価償却のルールとは

簡素化された減価償却費ルール(*2)をのぞいて、一般的な減価償却のルールは下記の通りです。

- 大、中小、零細企業、個人事業主は100ドルまでは一回で費用計上可能

- 不動産投資家、被雇用者、従業員は300ドルまでは一回で費用計上可能

以上が簡単な減価償却費の説明となります。

 

(*1) 法定耐用年数は、機械や設備といった減価償却資産の法定上の使用可能な見積もり期間の事をいいます。

(*2) スモールビジネス用に景気刺激策によって作られた一時的に2万ドルまでの減価償却資産を一回で費用計上できるルール。ここではルールに関する説明は省きます。

オーストラリアのアフォーダブルハウジングに投資する場合の税金優遇

オーストラリアでは、アフォーダブルハウジングと言って、市場の家賃相場より約10%ほど安く借りれる家又はアパートが在ります。幾つかの条件を満たしていれば、そこに住む事が出来ます。本題では無いので、ここでは条件の説明は省きます。

オーストラリアの税法では、通常12ヶ月以上保持していた株、不動産などの資産を売却した場合、課税対象になる売却益の半分50%が免除されます。

個人投資家がアフォーダブルハウジングに投資した場合は、さらに追加で10%免除、つまりは最大60%分免除される事になります。

しかしアフォーダブルハウジングに投資した全員がこの優遇を受けられる訳ではなく、2018年1月1日から最低3年間、連続して保持していなければならない。

また、投資家が非居住者、一時的な居住者、市場の家賃相場で貸し出している期間は免除の対象にはならず、合計の10%免除分からその期間に比例している分を差し引かないといけないなどの条件があります。

もし投資信託からの配当の一部がアフォーダブルハウジングへの投資であった場合も信託が最低3年間保持している場合は、個人投資家のレベルで追加10%免除を受けることが出来ます。

プロパティフリッピングに対するオーストラリア国税局の対応

ここオーストラリアでは居住目的で不動産を購入して、しばらく住んだ後(最低でも3ヶ月程度)に売却した場合は、キャピタルゲイン税が免除されます。

今日お話するのは、この制度を上手く利用して、購入後に住みながら改装して綺麗にした後に売却する投資家 (最初から売却目的) にはキャピタルゲイン居住者免除は通用しませんよという話。

オーストラリア国税局(ここではATOと呼びます)は大きく分けて下記3種類の納税者に、脱税していないかの目を光らせています。

1. 個人の不動産投資家ー不動産購入の際に当初の目的は長く住むもしくは、長期にわたって家賃収入を得る予定で購入。その後、改装工事をして予定よりも早く売却した場合。おそらくこの場合は、キャピタルゲイン税の免除の対象になりうるでしょう。

2. 独立した利益獲得事業者ーこの納税者は最初から改装後に売却を目的として不動産を購入して移り住み、改装後にすぐ売却するタイプ。この場合は高い確率でキャピタルゲイン税免除の対象にならないでしょう。

3. 不動産リニューアル事業ーこの納税者はプロパティフリッピング、つまりは不動産に改装工事を加えて付加価値を付けた後に売却する事業活動を定期的に連続してビジネスとして行っているタイプ。この場合も2番目同様に高い確率でキャピタルゲイン税免除の対象外となります。

上記の3種類からも分かるように、居住用の不動産に住んでいたからと言って売却益が税金免除の対象になるわけではないという話ですね。

2018年1月15日フィナンシャルレビューからのピックアップ記事

今日は、Glennon Capitalの創業者であるMichael Glennonさんがビットコインについての正直な感想を述べていたので、面白いと思いピックアップしてみました。本記事はこちらからどうぞ。

さて2017年の下半期に盛り上がったビットコインについて、彼の周りの人達が明らかに投機目的でお金を突っ込んでるというのを目の当たりにしすぎた事もありハッキリ言ってバブルでしょ。と言ってます。

彼曰くこれらの仮想通貨の投資は、配当は無い上、殆どのお店で使用出来ないし、単に値上がりした仮想通貨を他の誰かに高くで売りつけるゼロサムゲーム。私の周りで、仮想通貨で儲けたって話してる人は今の所いないけど、(言って無いだけかもだけど) 確かにTwitterではまだ盛り上がってる感じだし、去年のバブルで儲けた人達は、これで一儲けしてやろうとしている人達をまだまだ煽って買わそうとしている感じがする。

まあでも、仮想通貨で実際にはスーパーで食材を買える所もないし投資するんだったらしっかり現金を稼いでくれるビジネスに投資した方が賢明であると言えますね。

オーストラリアのUber (ウーバー)運転手に対する税金

オーストラリアでは、Uber (ウーバー)運転手として収入を得る場合、タクシー運転手と同じ納税者扱いになります。

つまり、個人事業主としてABN (オーストラリアン ビジネス ナンバー)の登録とGST(グッズ アンド サービス タックス)の登録が義務付けられています。因みにGST は、日本の消費税と同じです。こちらは10%ですが。

通常、7万5000ドル以下の売上の場合は、GST の登録は必要無いのですが、タクシー、ウーバーの運転手は、登録が義務付けられています。

さらに四半期ごとの消費税申告も必要です。(売上が2,000万ドルを超える場合は毎月)。その代わりに、事業に関する費用に掛かる消費税は売上に掛かる消費税と相殺する事ができます。

オーストラリアは、車社会で英語園という事もありウーバーがすぐに浸透しましたので、国税局も直ぐさま税金の取りっぱぐれの無いように法律を作っていました。