不動産開発業者と購入者間の取引においてGST(消費税)の納税方法に大きな変更がありそうです。
もし現在の法案が議会で通れば、2018年7月1日から新しい住宅用敷地または新しい分譲住宅の購入者は決済の一貫として、購入額に付随するGST(消費税)をATO(オーストラリア国税局)に付託しなければいけなくなりました。
これは現状のGST付託システムからの大きな変更となります。現状のGST付託システムは、開発業者が売却した際のGSTを管理していて、翌四半期(決済日から最長3ヶ月後)のBAS(事業報告書)にATOへ付託しています。この改正の目的は、開発業者が次の事業報告書の期日までに、事業自体を解散させて集めたGSTの付託を逃れようとするのを防ぐ為に立案されました。
もともとのGSTマージンスキーム(ここでの説明は省略)に登録している開発業者のGST支払額が少なかったとしても、購入者は購入全額の11分の1を支払わないと行けなくなるので、開発業者のキャッシュフローには多大なインパクトを与える事になります。こうなると開発業者は事業報告書申告の際に還付金を受け取る事になります。
この法改正は下記の売却および長期賃借契約に適用されます。
- 新しい住宅用敷地(修復によって創られた商用&住宅用敷地を除く)
- 今後のため住宅用に分譲された土地
購入者への影響
もしあなたが新築不動産の購入者なら2018年7月1日からは、決済時に総購入額の11分の1をATOへ直接支払わなくてはいけなくなります。売り主はあなたにGSTの支払義務がある事と決済時に実際に支払わなければいけない事を知らせておく義務があります。
開発業者への影響
2018年7月1日から売り主は住宅用敷地の売却額に対するGSTを徴収して付託する必要が無くなります。その代わりに売り主は書面で購入者に対してATOへのGSTの支払義務と金額を通知しなければなりません。売り主がGSTマージンスキームに登録していてGSTの支払金額が減少するしないに関わらず、総購入額の11分の1を購入者は支払わなければいけません。
一般的に購入者への通知事項は下記が含まれます。
- 開発業者の名前とABN(オーストラリアンビジネスナンバー)
- 購入者がGSTをATOへ支払わなければならない期日(通常は不動産の決済時)
- 一部または全ての購入額の支払いが現金以外ではない事
もしも売り主がこれらを通知しなかった場合は$21,000の罰金が課されます。
売り主は購入者がATOへ支払った金額を債権として受け取ります(もしも単に徴収されただけで支払われて無い場合は不可)。もし売り主が支払ったGSTが受け取ったGSTの総額よりも多い場合はATOより還付金を受け取ります。
この新ルールは審議されている最中で恐らく可決されるであろうと予測されている状態ですが、2018年7月1日以降の決済時に関わる開発業者と購入者は注意しておく必要があるでしょう。